不良の有岡について。
カゴを持つと、弟がカートを引いてきてくれた。
「ありがと。」
言って、カートを押す。最初は野菜コーナーから。
最初、その廿楽の彼氏が浮気をしたと聞いた時、確かに私も言った。「別れたら。」と。
言った瞬間、廿楽は泣いてしまった。
それから、私は学んだ。きっと廿楽は別れる気なんて毛頭ない。そのうえで、私に言ってきた。
「おねーちゃん、今日ハンバーグがいい!」
「はいはい。」
現実に戻された。
玉ねぎをカゴの中に入れる。
「茄子の味噌汁がいい。」
「はいはい。」
有岡の要望も聞く。