不良の有岡について。






夕飯を終えて、皿を片付ける。

水に浸けようと、水を出すと後ろから背中にぶつかられた。

…というより、抱きつかれた。

背中にぶつかる背丈は、弟じゃない。有岡だ。


「…どうしたの?」


既に腕がお腹に回っていた。何かあったのか、と考える自分に驚く。

普通、拒むところじゃないの?どうして普通にしてんの?


「噛みつきたい衝動を抑えて抱き付いた。」

「は?」

「…哀河って、思考が大人びてるから。たまに、壊れるんじゃねーかって心配になる。」


回された腕に力が入る。背中が変な風に熱くなる。



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