不良の有岡について。
お母さんというには、少し老いているような。もしかしてお祖母さん?
私とは縁もゆかりも無い関係性だと思いながら、言う。
『まあまあ、坊ちゃんのクラスメートの方ですか。おはようございます。少しお待ちになってくださいね。』
「ありがとうございます。」
…坊ちゃん!?
少し待っていると、寝起きのような有岡の掠れた声が聞こえた。
『もしもし電話、代わりました。』
「有岡って…もしかして。」
お坊ちゃんなの?と聞こうとして、止めた。有岡が学校でそういうことを言ってないのは、言いたくないからかもしれない。