不良の有岡について。
パタパタと走ってきた弟が、朝食のパンに目玉焼きを乗せて食べ始めた。
「今日、用事ある?海、行くことに急遽なったんだけど。」
『無い、行く。』
二言返されて、電話が切られる。いつもと違う素っ気なさを目の当たりにして、驚きながらも電話を置いた。
「おにーちゃん、くる?」
「みたいね。黄身こぼしてるよ。」
台ふきでテーブルを拭いた。はーい、と言いながら弟がテレビを点けた。
「────今日は最高の海日よりとなるでしょう」そう言ったお天気お姉さんを見る。
多分、廿楽はこれを聞いたんだと予想がついた。