不良の有岡について。
メロンシロップ。
「流石海日和…。」
私は唖然とした。
海が人で埋まってる。人ばっかりしか見えない。
強い潮の香りに驚いていると、手を繋いだ弟が「海!」と大声を出した。
「うわ、かなり混んでんな。」
「私、海初めてなんだけど。」
「そうなのか…あ?」
家族とも友達とも行ったことは無い。立ち尽くしていると、有岡に手を掴まれる。
「さっさと行こーぜ。日が暮れる。」
「おー!」
両サイドの声に押されて、私も進んでいった。
海の家ってひとつじゃないんだ…と思いながら、更衣室を借りて着替える。