不良の有岡について。

その瞬間、有岡に集まっていた視線が全部私に移った気がした。ドキドキと嫌な感じの鼓動が鳴る。

怖い怖い怖い!

思わず俯く。


「ありがとうございます…。」

「なんで敬語?」


きょとんとした顔で聞いてくる。


「なんでもない。」

「おねーちゃん!ワカメ!」


でろーんとした緑色のものを持ってきた弟。私は唖然とした。

しかもそれをこっちに押し付けてくる。

見て欲しいのは分かるけど、見えるから止めてほしい。


「ちょ、自然に返して!」

「きょうのおみそしるにいれようよ!」



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