ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜
「ち・と・せ・ちゃん」
ポンッと肩を叩かれ、振り返る。
「宮岡」
最終選考に残った勇気のライバル、宮岡がニコニコしながら私の顔を覗き込んでいた。
「あんた。こんなとこに来て平気なの。
会議室にいないと」
驚いて言うと宮岡はフフッと笑った。
「いいよ。勝手に盛り上がってるから。
君こそ藤崎の側にいなくていいの。
どうしたんだよ」
「いいの。何故だか分からないけどモヤモヤとするの。
…あ、ひがんでる訳じゃないのよ」
「わかるよ。君はそんな子じゃない。
………千歳ちゃんさ…、藤崎が離れて行くようで寂しいんでしょ」
「……えっ…」