ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜


「…や、待って……」

駄目よ。
私がいつも悩んで考えている事を見抜いた上で、愛を本気で囁かれたりなんかしたら、
……拒み切る自信がない。

勇気が好きで、それはもちろん変わらない。
だからこそ、もどかしくて、好きだからこそ物足りなくて。

今の私に逃げ道なんて案内したら、後先考えずに足を踏み出してしまうかも。


彼への満たされない思いから、たちどころに逃げ出してしまうかも。



「……千歳ちゃん。
好きだよ……君が。

ずっと。本気だった。

藤崎がいつ君の心を捕らえたのか俺には分からない。
だけどいつか奪うつもりだった、……靖夫からは。

サクラスイーツの大賞にもし俺が選ばれたなら……
君を養う自信がつく」

「え」





< 125 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop