ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜
駄目よ。駄目。
宮岡。
言わないで。
勇気よりも先に……私が欲しい言葉を。
「君と結婚したい。
一生分の……君の時間が欲しい。
俺は欲張りだから。
一日も早く。君を俺だけのものにしたいんだ」
「………宮岡…。
何で……。
何で言うのよ。
……何であんたが、それを言うのよ……!」
泣き出して批判する私を、宮岡はそっと抱き締めた。
「ごめん。…ごめんな、千歳ちゃん。
俺…、藤崎といる君が…幸せに見えなくて。
ごめんな…?」
私はいつの間にか宮岡のシャツをギュッと握って泣いていた。
温かさは……勇気と同じ。
私は今まで思い違いをしてきたのかしら。
私を温める事が出来るのは勇気だけだと思ってきた。
それは私が勝手にそう思ってきただけの事なのかしら…。