ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜
「は、はいっ!……リーフ?
…おかしいな……、確かに先週『マーガレット』で……」
藤崎はがさごそとデスクの書類を探しながらブツブツ言っている。
「藤崎!いいから早く秋場に連絡しろっっ!!」
「…は、はいっ!!」
書類を山積みにしたまま彼は電話の受話器に手をかける。
「あ゛っっ…!」
バサバサバサッ。
その手がツンッと当たり書類が雪崩を起こす。
「ああ〜…」
彼は受話器を置いて、床に屈み込みそれらをかき集める。
…………。
私はそんな藤崎をじっと見ていた。
…相変わらずね。
…全くもって、冴えないわ…。
「藤崎!早く電話しろっ!」
伊東課長の声が怒りで裏返っている。
その時。
「藤崎さん、私がやりますからどうぞ電話を」