ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜


藤崎の前にすっとしゃがみ込み、一緒に書類を拾い始めた女。

……桐山 レイナ。

商品企画開発課のアイドル的存在。

『私って、可愛い女ですぅ』とでも言いたげな猫なで声で話す、私が最も大嫌いなタイプのやつだ。



「あ、桐山さん…。
すみません、じゃあ、お願い致します」

藤崎は彼女にニコッと笑ってから立ち上がった。


…………。

……何。今のニコッは。


「いいえ、お気になさらずに。
ほら、早くしないと課長が睨んでいますよ」


………。

気に入らない…。

私は電話している藤崎を睨みつける。


そんな私の視線にも気付かずに彼は怒られているにも関わらず何だか上機嫌に見える。





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