ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜
――その日の昼休み。
「……勇気…」
俺と千歳は、また地下倉庫にいた。
彼女が俺をここに呼び出す理由は分かっている。
だけど…拒み切れない弱い自分がいる。
何故なら俺も彼女と同じ気持ちなのだから。
繰り返し甘く触れ合う唇から、互いの思いを伝え合う。
「……札幌……、決まったんだ」
キスの合間に彼女に伝える。
「……は」
彼女はパッと唇を離し俺を見上げた。
濡れた艶めかしい唇に再び俺が唇を近付けると、千歳は俺の身体を両手で押した。
「……千歳…?」
「札幌……ですって?
……嘘でしょ?」
…やっぱり、……反対か。
「……行けば多少の出世が望めるよ。
今のままじゃ…心もとないからね」