陽だまりの君
ここに来ると時がゆっくり流れる。この時間がずっと続けば良いなんて自分勝手かな


「昨日のボタン直した?」


春は立ち上がって窓を挟んで私の目の前に来た
栗色の髪がふわふわとはねる


「ボタンはホラ直したよ?」


ただ、拾ってくれたボタンは家に置いてきた。話すきっかけのボタンはなくしたくないから


なんてきっと美乃梨に笑われる


私がくいっと引っ張った制服をみてまた笑う


春はやっぱり陽だまりみたいだった


「明日は、隣おいでよ」

突然の提案に目を丸くする。


「いいの?」
ニコッと笑って

「もちろん」
といった

ストンと座り直して背中を壁に預けている。


数秒後にはスースーと優しい寝息が聞こえた。


あんなことを言われて早く明日が来ないかなと思ってしまう


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