正義たるは偽善なり
二人は、まるで先ほど人を殺したことがなかったかのように死骸に背を向けた。
話題は『誰が報告書書くか』と『あの男は何者であったか』。
誰かが不明な時点で殺してしまったし、判別も不可能だ。
「ジンくんがいきなり燃やすからですよ!」
「俺の所為か」
「そうですよ。
僕一瞬だけで顔確認できなかったじゃないですか!」
「見えたんだろ、ならお前の記憶力不足だ。
ということで今日の報告書はお前が書け」
「隊長!
隊長が自分で書いてください!」
「それが嫌だから押しつけている」
「わざわざ押しつけていると認めたよこの男!」