正義たるは偽善なり
「お前たちは、それで、今まで更正を許し魔術師を生かしたことがあったのか」
「いいえ」
「『人のために』、『民のために』、そう言って今まで行使してきた魔術師を救ったことがあるのか!」
「いいえ」
「だったら…」
どうして救いたいような事を言った。
どうしてチャンスをもたらした。
お前はそれで誰を救うつもりだ。
「生を望む者即ち生者、生を与えること即ち救済者、生を見せること即ち魔法使い。
禁忌と対立し罪を拭い去る者です」
「それで」
「わかりませんか。
君が生を望めば君は聖人だ」
「それで、騎士団は俺の命を助けてくれるのか!」
「いいえ、きっと捕まれば君は死罪です」
「だったら何故問う!」
「でも救われます。
王には許されずとも神には救われ、君は」
「下らない!」