片翼の天使たち~fastlove~
がむしゃらに走った。
走り続けてなきゃ、崩れてしまいそうで
行く当てもないのに、ひたすらに足を前に進めた。
いつのまに降り出したのか、時々雨粒が私の肌を突き刺す。
さっきまで晴れていた空は、くすんだ雲でひどくどよんでいた。
このくらいがいい。
今の私には、このくらいでいい。
眩しすぎる空は、私を苦しめたから。
やっと止まった足。
私の視線の先には、誰もいない古びた公園。
暗い、1人の家に帰りたくはない
だからと言って、学校にも戻れない。
お店に入ることも、したくない。
私の足は、また勝手に進んでいた。
座れば軋むような公園のベンチのうえで、私は体育座りをして、突っ伏した。
さっきからずっと、涙が流れているのに
その涙は枯れることをしらない。
遥翔…___。
恋がこんなに辛いなんて
知らなかった。
スミレの恋を応援なんてするんじゃなかった。
…まだ、あなたに想いをつたえて捨てられる方がよかった。
ハハ…っ
何言ってんだろ。バカじゃん……、超バカじゃん、私。
こんな無意味な後悔
1人でずっと、続けてる。