片翼の天使たち~fastlove~
「遥翔とね私の友達が、付き合ったの…」
「……」
美羽は信じられない、そう言いたそうな顔をしていた。
「でも、仕方がないの。だって…私が協力したから。」
自業自得
今の私に…お似合いすぎる言葉。
美羽は嗚咽交じりに話す私の言葉を、うんうんと相槌をうちながら、聞いてくれた。
「遥翔…まさかOKだすなんて思ってもなかった。…最低だけど私、可能性は無いって思って…協力してた…っ!!」
激しい自分自身への劣等感。
友達を…スミレを騙した罪の意識は、消えない。
むしろ、深く深く……心をえぐられた。
「だけど…好きだったの……」
ダメだと
最低なことをしていると
分かっていても、無理だった。
遥翔を前にすると、好きがこぼれそうで
怖かったんだ……。
「桜羅……」
声がだんだんと大きくなる。
溢れた気持ちは、もうとどまることを知らない。
「本気で…好きだった……っ!!」
「うん…」
「どうしようもなく…遥翔が好きだった…、なのに……もう届かないよぉ…っ」
大好きなあなたに
この
胸が張り裂けそうな
全てを失ってもいいような
何とも言えない、恋心は
届くはずもない…
私の胸の中で
静に眠ってゆく。
遥翔……あなたを好きになって
いいことは、少なかった。
だけど
恋なんてしなきゃよかった
とは、
どうしたって、想えないの…___。