片翼の天使たち~fastlove~





1枚の食パンを10分かけて完食し、制服に腕を通す。



いつもは適当におろす髪も、丁寧にくしをかけて。






私の行動は、分かりやすすぎにもほどがあった。





だって、学校に行きたくないって。


私自身の行動が表している。





そんなことしたって、たった1人の家の中では意味ないのに。





急に虚しくなり、ため息を1つついて


私は家をでた。





ふいにケータイを開くと、メールが3件。



そのうちの1通が美羽。




あとの2通は無情にも、スミレからのモノだった。





約束を破ったことについて、遥翔からのメールはなかった。


安心してる反面、それを残念と思う私。





メールを確認していく。


美羽からは「大丈夫?」と1言だけ。





メールでは根掘り葉掘り聞かない、美羽なりの優しさなんだろう。






スミレからは……



「サクラ?今日急に帰っちゃったからビックリしたよぉ!?大丈夫!?明日
学校おいでねっ」



そして



「遥翔くんと一緒に帰ることになったよっ!ノロケ話、付き合いなさいよー!?」







__バタンッ





ケータイを閉じ、カバンにしまう。



仕方ない…。


スミレは、何も知らないんだから……。






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