片翼の天使たち~fastlove~
「……っ」
涙が、こわばった頬の上をただ伝う。
私が目にしたのは、仲がやさそうに腕を組み、歩く
2人の姿。
遥翔…
スミレ……。
どちらにも、合す顔がない。
…逢えない。逢いたくない。
逃げ出してしまいたかった。
だけど、できなかった。
足が固まって、私はその場から1歩も動けなかった。
思考回路もだんだんと静止していく。
ほんとは嬉しいはずの、友達の恋の成就も
最低な私は、素直に「おめでとう」なんて、言ってあげられない。
なんて、身勝手で
わがままで、最低な女なんだろう。
あれも
これも
すべて…。
自分が招いたことなのに。
……。
どうしたらいいのか、私の頭の中には
解決法がない。