片翼の天使たち~fastlove~
「あーー!!サクラいたっ!!」
私を見つけたのか、スミレは声を張り上げた。
遥翔の腕を引っ張りながら、だんだんと私へと近づく2人。
いや…、やめ…てよ。
お願い、来ないで…___。
「おはよぉ、サクラッ。この前はびっくりしたんだからね!?」
私とは裏腹に、とても元気なスミレ。
泣いたことは、バレテないみたい。
「ハハ…、ごめん。」
乾いた笑いしか出ない。
きっとこれは、自分自身へのため息。
顔だって、あげるにあげらんない。
遥翔の顔なんて、見れない。
だって、私は、
大好きなあなたに嘘をついた。
…つかなければ、ならなかった。
大好きな、スミレのために。
私は唇を噛み締めた。
痛みを感じていなきゃ、どうかしちゃいそうで怖かった。
苦しい
苦しい
恋が、こんなにも辛いなんて、私は知らない。
自分の中にこんな激しい感情があることも
私は、知らない。
出来ることなら、知りたくも無かった。
こんな……。
こんな…醜すぎる感情なんか。
一生
知りたくも
ナカッタ…____。