片翼の天使たち~fastlove~
「は…」
短めの息を吐き出して、私は涙を拭った。
教室行く前に、紅茶買ってこ。
無駄に疲れたし、喉乾いたし。
「おばちゃん、紅茶1つ」
「はいよ。120円ね」
私はおばちゃんに120円を渡し、飲みながら教室まで向かった。
教室に入るなり机に突っ伏し、少しだけ顔を横にずらして空を見上げた。
何度、泣いたって
私のこの想いが遥翔に届くことはない。
それは…もう、分かってる。
…分かってるから、諦めなくちゃいけない。
なのに、諦めが悪いのかな?
私…。
初めて知ったよ。
すぐに、諦められると思ってた。
恋なんて、すぐに終わると、思ってた。
だけど、恋はそんな簡単なものなんかじゃなかったよ…。
こんなに切なくて
哀しい愛しみで胸がいっぱいになるなんて、こんな恋は初めてなの。
目を閉じれば、遥翔が出てくる。
目を開けたら、あなたが愛おしくなる。
逢いたくなるの。
友達の……スミレの彼氏だったとしても。
諦めきれない
割り切れないのよ…
ごめんね、スミレ
ごめんね…遥翔……___。。
何度誤ったって
それは足りなくて。
「ごめん」は
心を傷つける。
私の恋は報われない。
うん。わかってる……。
分かってるから、つらいんだ。