片翼の天使たち~fastlove~







昼休みの中ごろ、机に突っ伏しているとクラスがざわめきだした。






「「きゃぁぁ」」

「嘘、なんでここに?」

「どぉしてー!?」







…ん。うるさい。


一体なんのさわぎ?





重たい目をこすって、薄ら開ける。


すると、なんやら黒い影が見えた。






私のとこに近づいて来てる?






「…アンタのクラスはいつ来てもうるさい」







ボソッと呟いて、その人は私の前の席に座った。





…この声、



「唯?…おはよう」



顔をそっとあげると、ギャラリーを煙たがるように顔をしかめてる唯がいた。






…唯が来たら、そりゃうるさくなるよ。






「はよ。朝から泣くなんて大バカだろ、アンタ」






見られてたんだ…あれ。



唯が少し呆れた口調で吐き捨てる。






綺麗な手で柔らかそうな髪をかきあげ、切れ長の澄んだ瞳にしっかりと私を映した。







「だって…私が招いた結果だから……」


「だったら泣くなよ。」


「…ん。ごめん。」







際どい言葉に曖昧に返す。








「んな後悔すんなら、協力できないって言えばよかっただろ」







…唯が正しい。





確かにその通りだ。





でも、それができたら




私はどれほど幸せだろうか。











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