片翼の天使たち~fastlove~







3か月ぶりの、遥翔と2人だけ。


なんの音も無く、沈黙が続く。








言葉が見つからない


なんて声をかけていいのか、分からない。







「スミレには言うなよ」


「分かってる…。」






言えない。


言えないに決まってるよ…。





こんなの知ったら、スミレが傷つく。






「なんで…あんなことしたの?」


「お前には関係ない」


「あるよ!!」





気づいたら、私は遥翔の腕をつかみ、涙を流しながら訴えかけていた。





止まらない。


色んな感情がごちゃ混ぜになって、もう後戻りなんか出来ない。






「ある…っ、関係あるよ!!スミレを傷つけないで…。」






遥翔とスミレが幸せならば


この一時の苦しみは我慢するものだと





…ずっとそう言い聞かせてきた。





だから、大丈夫だった。


生徒会であなたを想うときも


1人で泣く夜も


スミレが話してくれる、あなたの話も





平気だった。





まだ絶えられた……。







あぁ、私のこの選択は間違いなんかじゃなかった。




2人がいいならば、幸せならば、これでよかったって…ずっとそう思ってた。








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