片翼の天使たち~fastlove~
言ってしまった。
遥翔は口を開かない。
困るよね
戸惑うよね
…分かってたよ
でもね、もう留めておくことなんてできなかった。
あなたが好きなの。
私、笑った顔も
怒った顔も
無邪気な顔も
全て
あなたのすべてが好きなの……。
「スミレが好きだって、分かってる。あなたにとって私は、ただの秘書でしかなくて…。今、この瞬間だって遥翔は…私なんかといたくないって、もう分かってる……けど」
それでも、伝えたい思いだってある。
私はもう涙を流していなかった。
伏せていた顔をあげ、私を見つめてる遥翔に微笑む。
「好きになっちゃったの。」
「サクラ……」
「迷惑かもしれないけど、スミレにだって悪いって思ってるけど。好きな気持ちだけは…遥翔を好きっていうことだけは、やめられない。この3か月間、あなたを嫌いと思ったことなんて1度も無い。」
不思議と、涙なんか流れてこなかった。
こうして、自分の想いを伝えられていることの方が
私には嬉しく感じた。
絶対に口に出すことなんてないと思っていたから。
「それどころか、……遥翔のこと好きだって気持ちが、大きくなって、大きくなりすぎて……仕方がなかった。」
惚れたら捨てられる
そんなこと、今となってはもうどうでもいい。
けど、終わった…。
私の恋、終わったね。
いいよ。
あなたに「好き」と伝えられて
この恋が終わるなら本望。
___受け入れられる。