片翼の天使たち~fastlove~
「……」
さっきから、遥翔はなにも言ってくれない。
「…突然こんなこと言ってごめん。でも、伝えられてよかった。返事なんていらない。」
私は落ちたカバンを拾い、汚れを叩いた。
「もう浮気なんてしちゃダメだよ?スミレが悲しむから」
「……」
「じゃぁ、帰るね。」
あなたに思いを伝えられてよかった。
ただそれだけで、私は幸せだ。
私が生徒会室を出ようとした、
その時___
「待てよ」
低い声と
熱い体温に、
体は縛り付けられたように自由を失った。
「…え?遥翔……_?」