片翼の天使たち~fastlove~
「言い逃げなんか、するんじゃねぇよ」
後ろから回された、あなたの腕。
ワイシャツ越しに伝わる熱に、戸惑ってしまう。
顔を斜めに見上げると、なにかを一生懸命伝えようとする。
遥翔……、あなたがいた。
「俺も…サクラが好きだ」
「え……」
真っ直ぐな瞳
力強い声、言葉
冗談なんて、今の遥翔からは見られない。
好き…?
遥翔…が……?
私たちの距離は
もう、半径1メートルも無く。
紙1枚も入れないくらいだった。