片翼の天使たち~fastlove~
人の気持ちは、分からないし
操れない。
両想いの確立なんて、ほぼフィフティフィフティ。
付き合えるのは奇跡に等しいんだ。
「…相談、ありがとね。美羽に話せてよかったよ」
『ううん!あたしこそ、話してくれてありがと、桜羅』
「……ん。じゃあ、切るね」
『元気に学校来なねんっ』
明るい美羽に、そっと笑ってから電話を切った。
美羽に話したからか、さっきよりも足取りは軽かった。
遥翔に会える。
それ以外は、今は考えないでおこう。
学校について、スミレを見かけたけど声をかけずに遠回りをした。
今は話せない。
今、スミレと2人きりにでもなってしまったら
私はなにを言い出すか分からない。
だから、この距離は大切だと思う。
友達と話してるスミレに気づかれないように私は教室へ入った。