片翼の天使たち~fastlove~
「…あっりえない」
ブツブツ言いながらドアを開けると、閻魔大魔王より怖いんじゃないかってくらいの迫力で、遥翔が仁王立ちしていた。
「まだ着替えてねぇのかよ」
はいーー!?
無理だから!普通に、理論的に考えても無・理!!!
5秒で着替えろと?顔洗って、ご飯食べろと!?
そんな人間いたら連れてきなさいよぉ!!!
「あ~桜羅パジャマ~」
遥翔の後ろから顔を出した3人組。
「ノーメイクじゃ顔違うのな」
「うわぁ~…」
「ちょっと、それどういう意味よ!!」
不機嫌な声色で言うと、ササッと遥翔の後ろに隠れられた。
「サクラ、突っ立ってねぇで着替えろ」
「ハイハイ」
遥翔に急かされ私は着替えるために隣の部屋へ移動。
床1面にズラーッと洋服を並べると、プチファッションショーが始まる。
どれにすればいいのかな。
遥翔たち、美形だもんな。ちょっとは隣歩ける服着て行かなきゃ。
……って、私なんかすごい楽しみにしてるじゃん。
ホント、初めてだ。
こんなに騒がしい朝は。
__いいかもしれない。こんな朝も。