片翼の天使たち~fastlove~
まだ痛む頭を優しくさするながら、涙目で遥翔を睨む。
「なんか文句でも?」
「別に…」
大ありじゃ、こんの俺様野郎。
心の中で悪態をつきながら、私は体制を立て直す。
ふーっと息をついた。
「もういいから早く行こうよ!」
「誰のせいだよ」
「あんたのせいでしょ!?」
「うっせー」
子供みたいな言い合いを延々と続けながら私たちは、唯のマンションを後にした。
すると、目に入ってくるのはやっぱり、遥翔たちの高級車。
「なに突っ立ってんだ?早く乗れよ」
「……」
全然慣れない…。