片翼の天使たち~fastlove~
____…もう、終わったのに。
もう…桜のシーズンは終わったのに。
〝笑って〟
そう言った、遥翔の周りに、一瞬だけど桜が舞い散った気がした。
どうして
どうして遥翔と出逢った日から、今日までずっと。
こんな気持ちになるんだろう。
苦しくて
切なくて
どうしようもなくて…。
嬉しくて
幸せで
どうしようもない…。
あぁ…そうか。
今、分かった。分かったよ、遥翔…。
私があなたに目を奪われる理由。
あの頃に似ているんだ。
私が初めて恋をした
あの頃に…どうしようもなく似ているんだ。
「ねえ…遥翔?」
「ん?」
「遥翔も笑お?」
遥翔は…柔らかい笑顔を見せてくれた。
その瞬間、私の胸はトクンッ…と小さく跳ねる。
あぁ…。
私、あなたに恋をしたんだ…____。