片翼の天使たち~fastlove~
「誰!?超気になる!!」
「絶対誰にも言わない?」
「うん、言わない!!」
「…じゃー、サクラだけに言うね。」
ホントに
本気で。
応援したいと
応援してあげたいと
想ってた。
でも、できないよ…。
「あたしね、遥翔君が好きなの…。」
「え…?遥翔……?」
だって、私も
……好きだから。
楽しそうに話を進めるスミレ。
私はそれについていくことが出来なかった。
そりゃ、遥翔はカッコいい。
誰がどう見ても、そう思うと思う。
だけど。
遥翔を〝好き〟そう言う女の子たちのほとんどは
ただの遊び。
ただ、遥翔がカッコいいから
…自分のモノにしたいだけ。
だって、その証拠に
みんな彼氏ができたら、すぐに見向きもしなくなる。
自分に都合がいい時だけ、遥翔に近づく。
みんな、分かっているから。
遥翔が…本気で人を愛すことはない、と……___。
私だって、だてに秘書をやって来たわけじゃない。
入学してから、いろんな場面でいろんなことを見てきた。
だから…
だから……現れない自信があった。
遥翔を本気で好きだと言う人が
現れない。
そんな、変な自信が……___。
「サクラ、応援してくれるよね?」
スミレは…大切な友達。
遥翔は…叶わない恋の相手。
____私、ズルい。