片翼の天使たち~fastlove~
私の体は、固まったように動かない。
唯に固定されてるからじゃない。
こんなの、振り払えばすぐ自由が利くようになる。
なのに、そうできないのは…
私が
私自身が
…唯の冷たさに、戸惑っているから。
「アンタ、さっき言ったよな。なんで遥翔じゃなきゃダメかって。」
嘘…。
あれ聞かれてたんだ。
「俺もそう思う。なんでアンタは、遥翔じゃなきゃダメなんだ」
遥翔じゃなきゃ、ダメな理由…。
そんなこと、考えたこともなかった。
気が付いたら……好きが溢れだしてた。
目が覚めたら……あなたを目で追ってた。
ホント、いつの間にか、だったんだ。
「唯…わかんない。私には……分からないの…っ」
人を好きになることに、理由なんているの?
全然分かんない。
…1から説明したって、ぐちゃぐちゃになってしまう。
でも、1つだけ
バカな私にも、分かることがある。
「……遥翔じゃなきゃ、嫌なの」
私が求めてるのは
遥翔の笑顔…。
切り捨てられたくない。
だって…好きだから。
こんなことを延々と話したって、話は進まない。