片翼の天使たち~fastlove~
ダメなの?
こんな理由じゃダメ……なのかなぁ…。
「遥翔が…好きだから。……遥翔じゃなきゃ、ダメ…なの」
恋にこれ以上必要なものって、なに?
お金があったって
いくらカッコよくったって
それが、その人本人じゃなきゃ……
遥翔本人でなきゃ、私がダメなんだもん……。
「それの、何がいけないの…?なんで!…なんで、遥翔に……この想いは届かないの!?」
こんなに
胸が張り裂けそうなまでに、好きなのに…____。
「…やっぱりアンタ、遥翔には向いてないよ」
___ドクンッ
心臓が重く、深く
波を打つ……。
唯の口から
無情な程告げられる現実が、怖い…。
「アイツはアンタが思っているような奴じゃない。後悔するのは、桜羅…アンタなんだよ。」
唯…?
唯はどうして、そこまで私に言ってくれるの?
なぜ、そんなに…苦しそうなの?
そんな険しい表情されたら、私まで胸が痛い。
「俺は今まで、何人も見てきた。遥翔に捨てられて…傷つく女を。アンタには……、アンタだけには、傷ついてほしくない」
「唯、どうしてそこまでしてくれるの?」
「んなこと、決まってる」
白い空間に
唯の透明な声だけが、響いた。
「……アンタが俺らの仲間だから」