片翼の天使たち~fastlove~
__悲・恋__
プルル…
プルル……
「はい」
『サクラ?どしたの、今日学校休むなんて』
電話の相手は…スミレ。
私に電話してきた理由なんて、簡単だ。
昨日私は、スミレを置いて帰った。
できなかった。
無理…だった。
あの状態で、スミレの恋の話なんて、聞けなかった。
作り笑いさえも、出来ない状態で、スミレに逢えない。
「…ごめんね。風邪ひいちゃって」
こんな嘘。
私が抱える隠し事に比べれば、痛くも痒くもない。
どうしようもない罪悪感だけが、積もっていく___。
『大丈夫?あたし、お見舞い行こうか』
「ダメッ!!!」
『え…__。サク…ラ……?』
「あ…あぁ……ごめ、ごめんなさい……。」
どうしよう。
こんなの、らしくない。
心が不安定で。
とても、苦しいよ……。
望んでいない涙は枯れないね。
昨日から夜通し泣いても、枯れてはくれない。
そればかりか、涙を流す自分に虚しくなって
憤りまで感じて、涙が止まらないなんて。
今までこんなこと…1度もなかったのに。
両親に見放された時でさえ、こんなに泣かなかった。
……でも、今回は訳が違う。
もうあんな想いは、したくない。
もう、2度と……あんな想いは……__。