片翼の天使たち~fastlove~
『サクラ、今日はゆっくり休んで。あたしに出来ることがあったらすぐ言ってね?』
「…うん。じゃあね」
__プツンッ
虚しく響く
電話が切れたことを告げる音。
その音が私に何かを伝えたように
私の頭の中を駆け巡る。
そして、また
_____涙が止まらなくなる。
〝あたしに出来ることがあったらすぐ言ってね?〟
ごめん…。
ごめん…ね……スミレ…。
こんな友達で、ホントごめん……。
私、友達の恋を
スミレの幸せを、願えないよぉ……。
心の中で、失敗しちゃえって
早く告白して、切り捨てられちゃえって
思ってる私がイルノ。
…ホント、卑怯者だ。
「……っ、ハハッ」
なんだ…
そんなこと、最初から言われてたじゃんか。
〝お前、逃げんの得意だろ〟
ホント…当たりすぎてて
笑っちゃうね…___唯。
私が今日学校を休んでるのだって、ホントは…
スミレに逢えないからじゃない。
ホントは…
スミレに逢いたくないんだ。
私は……___逃げているんだ。