片翼の天使たち~fastlove~
「一回着てみないことには始まらない!サクラ、これ着て!!」
「わ、私に似合うの?…絶対似合わない気がするんだけど」
「つべこべ言わずに着るっ!!」
ドーンと試着室に入れられ、唖然とする私。
ペタンと座ってる私が、大きな鏡に映っていた。
……とりあえず、着てみよ。
制服を脱いで、桜色のワンピースに足を通す。
うっわ…!
似合わなすぎにもほどがあるでしょ、私っ!!
膝上丈のワンピ。
私…足太いのにぃ。
「サクラ開けるよ」
「え…まっ」
___シャッ
「おぉ、似合うじゃーん!」
うぅ…。
返事する前に開けられた。
心の準備がまだだったのに……。
ってゆか、私がまだ着替えてる途中だったらどうなってたんだろう。
…とりあえず、よかった。
着替え終わってて。
「当日はメイクとヘアアレンジもやってあげるー!」
私の髪を触りながら、ニコニコしてるスミレ。
「ありがとぉ、スミレ」
「こういうのは得意なの!だから任せて!!」
笑顔で言いながらも、内心は罪悪感の塊。
…だって、春風祭で私は
大切な友達を、裏切ろうとしている。
〝協力する〟って、言ったのに___。