片翼の天使たち~fastlove~
「はぁ…」
今日は、春風祭当日。
ため息が止まらない。
結局昨日は、考えすぎて眠れなかった。
せっかくの春風祭なのに……気分上がんないな。
…今日、なんだ。
スミレが…遥翔に想いを伝えるのは、今日なんだ。
あぁ…。もう、どうしよう。
私、遥翔に話があるって言っちゃったよ。
なんとなく誤魔化してしまおうか…。
だけどきっと、溢れ出してしまいそう。
あなたの顔を見るだけで
きっと……〝好き〟が溢れ出してしまう。
ホントは春風祭、一緒に回りたいとか
そんなことも思ってたけど、そんな約束しなくてよかった。
してたらきっと、私は今もう、ボロボロだ…。
「サクラ!またボーっとしてる!早く着替えに行くよ!?」
「…うん。そだね」
スミレ…元気だな。
そうだよね。
私…スミレに言ってあげられてないんだもん。
友達になんて言ったらいいのかさえもわからないなんて。
こんなこと、初めてだ。
私は昨日の桜色のワンピースに着替えた。
スミレは白とスカイブルーの綺麗な色のシフォンワンピ。
綺麗なスミレによく似合ってる。
うなじがよく映えるアップの髪型。
青を基準とした大人っぽいアイメイク。
どれもスミレにぴったり。
普通の男の子だったら…
もし、私とスミレが好きになった人が
普通の男の子だったら…
きっとみんな、スミレを選ぶんだろうな。
私は…自分に自信が無い。