片翼の天使たち~fastlove~
「じゃあスミレ、私遥翔のとこ行ってくるね!バッチリ誘っとくから、安心してっ!!」
「ありがと、サクラ!」
私は、笑顔のスミレに送り出されて衣装部屋を後にした。
もう、泣かない。
もう、迷わない。
…生徒会の秘書として、あなたの傍にいられれば
私はそれで構わない。
いつも通りドアを開けて、生徒会室に足を踏み入れる。
すると、透くんとひなたがいた。
「あれ?どちら様?」
「っつーか、どうやって入った?」
透くんとひなたが私に向かって言った。
え?も、もしかして……桜羅だって気づかれてない!?
どれだけすごいの…メイクの威力、恐るべし。
「透くん、ひなた、ホントに分からない?」
「その声……もしかして桜羅!?」
透くんが私に気づき、声を張り上げる。
そんなに驚かれるとは……少し恥ずかしいかも。
照れながらコクンッと頷くと、2人して私を凝視。
え…
私の格好なんか変?
やっぱ、似合ってなかったのかな……。
「ね、ねぇ…似合ってないよね?」
「んなことねぇよ!超似合ってる!!」
「俺もそう思う!今日の桜羅いつもと違って女っぽい!」
「ひなた、それ失礼だから」
私の突っ込みに3人で笑う。
よかった…。
いつもどおりに話せてる。