片翼の天使たち~fastlove~
だから、少しくらい休みたい。
私は人通りの少ない渡り廊下で足を止める。
その瞬間、一気に緊張感から解放されて、とめどなく涙が流れた。
この恋をして
この恋に気づいて
こんなにも苦しい涙を流すのは
もう何回目だろう。
あなたを好きになって
あなたに気づいてほしくて
私の心は
何回ひどい矛盾を繰り返しただろう。
「…ひっ…うぅ…っ…。もぉ…嫌ぁ…っ」
しゃくりあげる私の声がコンクリートに反響する。
グレーの地面が涙の跡で黒くなっていく。
一体、いつになったら晴れてくれるの?
ねぇ…いつこの雨はあがるの?
なんで、世界は哀しいほど晴れているのに
私の心には、雨が降り続けるの?
ねぇ…っ!
誰か、教えてよ…っ___。
もう、辛いんだよ。
辛すぎる…の。
友達も、遥翔が好き。
ただそれだけなら、まだ絶えれらた。
他に解決法があったかもしれない。
でも、現実はそんなに甘くない。
だって私は、なにも出来ない状況に立たされたのだから。
スミレの恋を応援せざるを得なかった。
遥翔に想いを伝えてはならない。
「…好き」
遥翔……。
この切ないくらい愛しい想いは、どうしたらいいの?
どうしたら、この気持ちは消えてなくなる?
「はる…と……」