片翼の天使たち~fastlove~
気づけば時計の針は、1時を回っていた。
春風祭が始まったのは9時。
私が遥翔に会いに行ったのは10時。
…バッカみたい。
こんなに…1人のために泣いて、苦しむなんて。
ホント…私バカじゃん。
スミレ、告白したのかな。
遥翔は…ちゃんと中庭に行ったのかな。
……返事は、なんて返したんだろう。
ケータイ、怖くて開けないよ。
ヴィー…ヴィー…
マナーモードにしてあったケータイが震える。
誰…だろう。
恐る恐るケータイを開くと、スミレからのメールだった。
「タイミング…悪すぎ」
滲む視界。
涙を手で拭い取り、震える手で受信ボックスを開く。
___ガッシャーン
「う…そ……」
どうして。
……ねぇ、なんで?