ショコラ~愛することが出来ない女~
じっと見ていると、その頭が動く。
目があって、私が声を詰まらせているとにっこりと笑われる。
「おはようございます」
「お、おはよう」
爽やか過ぎだろう。
やっぱりしたのか、これは。
夜明けの珈琲を一緒に飲む関係になっちゃったのか。
「あの、昨日。……した?」
ここははっきり聞いておこう。
「しましたよ」
さらっと返される。
ああ、しちゃったのか。
気まずいじゃないの、今後。
若干うなだれた私に、上半身裸の庄司くんが近寄ってくる。
やっぱり筋肉質のいい体をしてる。
しちゃた割には記憶が無いのが惜しい。
いや違う違う。
そうじゃなくて。
上司として部下とこういうことになるのはどうなの、私。