ショコラ~愛することが出来ない女~

「子供にもちゃんと伝えました。
パパはママとお別れしてもパパだって。
他の子供はつくらないって」

「そ、そう」

「泣かれたけど。……納得してくれたと思います」

「……そう」


一瞬、離婚を告げた時の詩子の顔を思いだした。

あの時、あの子は私に対しては聞き分けがよかった。
隆二くんのことは色々糾弾していたけど、それはつまり隆二くんには甘えてたってことだ。

現に最終的にあの子は彼の元にいることを選んだ。

今から思えば納得できる。
愛情の示し方は、隆二くんの方が上手だった。


「だから、責任とって下さいね」

「……は? 責任って?」


何の責任?

訳が分からず聞き返す私に、彼が返したのは満面の笑み。


「つまり俺はもう子供は持てないって訳で、再婚する時は子供は要らないって人とじゃなきゃ出来ないんですよ」

「……」


吸った息が吐き出せない。
次に何を言うつもり?
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