ショコラ~愛することが出来ない女~
そんな風に過ごしているうちに、時は経過し、今は4月。
詩子の誕生日があるので、終業後森宮ちゃんを誘って買い物に来ている。
「でも、22歳のお嬢さんのプレゼント、私にわかりますかね」
「さあ。でも私が選ぶよりは若いもん選ぶでしょ?」
森宮ちゃんのその後も気になっていた。
その後なんかいい出会いとかあったのかしら。
自分ばかりがうまくいっていて、しかもそれを内緒にしている後ろめたさから、早く彼女にも相手が出来てほしいという思いが頭から離れない。
「お嬢さん、どんな感じですか?」
「よく似てるって言われるから、私をそのまま若くしたのをイメージしてくれたらいいわ」
「ほう。着せがいありそうな感じですね」
森宮ちゃんはおしゃれだ。
ずっとファッション誌の担当をしているし、本人も実際それが好きなのだろう。
「康子さんに似てるんなら、大胆な色を選んでも大丈夫そう」
鼻歌を歌いながら、ショップの服を次から次へと見比べていく。
そして、きれいなペールオレンジのスカートを手に取る。