ショコラ~愛することが出来ない女~
二人揃って呼び出されたことで、噂は更に広がってしまったようだ。
部屋に戻った途端、皆の会話が途切れ視線が一度にこちらに向かう。
ここで動揺したら負けだ。
どこまでも毅然とする。
それが上司としての態度だ。
「……なに? さ、仕事するわよ」
何事もなかったように。
庄司くんにも席に戻るよう指示する。
「康子さん、あの……」
森宮ちゃんの心配そうな表情。
「話は後でよ。さ、予定の会議しましょ。編集会議」
主要メンバーを集めて会議室へと移る。
強がってはみたものの全身が冷や汗だらけになりそうなほど緊張していて。
会議の内容が頭にうまく入ってこなかった。