ショコラ~愛することが出来ない女~


「……ん」

「おはよ。起きた?」

「んー。起きた。康子さん早起きだね」

「あなたがお寝坊さんなのよ」


笑って鼻の頭をつつくと笑い返されて、心が和んでる自分に気づく。

やっぱり、誰かといるのは幸せだ。
一人は楽だけどやっぱり寂しくて。


「康子さん?」

「え?」

「どうしたの、ボーっとしてる」

「ああ、うん」

「結婚のこと、心配してる?」


庄司くんはなかなかに鋭い。

付き合ってる分にはそれは嬉しかったけど、知られたくないことに踏み込まれ始めると結構憂鬱だったりもする。


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