ショコラ~愛することが出来ない女~
11 娘の言葉


 翌日、勢いを失わないうちにと詩子に会いに行った。
仕事中にフラッペを食べに行き、仕事後の約束を取り付ける。

詩子が考案したというフラッペは、アイディアも斬新でおいしかった。さすが隆二くんの娘というところか。

でも作ったのは男の子の店員の方だった。

手指の繊細さも似ればよかったのに、そういうところだけは私に似るもんだから、完璧主義の隆二くんからストップをかけられてるんだろう。

隆二くんももう少し融通利かせてあげればいいのに。

まあでも、こと『ショコラ』に関することで私が口を出したところで取り合ってもらえるわけもない。
可哀想だけど仕方ないか。


 待ち合わせは駅前。

待っている間に庄司くんにメールを書く。
詩子にも結婚の話をする、という内容だ。

彼は早朝から山登りに行っていて、もしかしたら電波も届いていないかも知れないけど。
昨日も遅くにメールをくれたりして心配かけているようだから、こまめに報告くらいはしないと。


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