ショコラ~愛することが出来ない女~
「おや……父さんは母さんの事今でも好きそうだけど」
「そうね。でも一番じゃない。彼の一番は『ショコラ』よ。
あの時にそれが分かった。
私は欲張りだから、自分を一番に想ってもらえないと嫌なのよ」
「じゃあ、今度結婚する人は母さんのことが一番なの?」
これには一瞬息が止まった。
女の子というものは、どうしてこんなに鋭いところをついてくるのか。
「……今のところはね」
今のところ、庄司くんはまるで忠犬かと思うほど私を立ててくれている。
だけどそれが変わったら?
年月は色んなものを変化させてしまう。
私と隆二くんを変えたように。
そのときに私は、2番目の恋を選んだことをどう思うのだろう。