ショコラ~愛することが出来ない女~


「前に言ってた彼?」

「はい。先日ようやく告白したんです。あの……」

「そ、そう。分かった。じゃあ別な日でいいわ。また都合聞かせて」


まだ話したそうな森宮ちゃんをつれなく遮る。
ごめん、と心の中で謝った。


「すいません。じゃあ明日」


私の機嫌を損ねたと思ったのか、森宮ちゃんもぎこちない態度になる。

ああもう、私何やってんのよ。
森宮ちゃんには何の非もないじゃない。

まだ確認したわけじゃないけど。
森宮ちゃんの相手がもし隆二くんだったらどうしたらいいんだろう。

私は上司だから結婚式にも呼ばれてしまうかもしれない、なんてそこまで心配するのは飛躍しすぎか。

でも年齢的に言えば、森宮ちゃんだって付き合う相手には結婚相手を想定してるわけで。
現実になる日はおそらくそう遠くない。

イヤだ。考えるだけでもう泣けてきそう。


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