ショコラ~愛することが出来ない女~
13 結婚の意義
翌朝、出社してちらりと庄司くんの編集部を覗く。
すると、ちょうどカメラマンの福ちゃんが出てきた。
「あれ、福ちゃん」
「康子ちゃんじゃん。どう? 調子」
「まずまずよ。そっちは?」
「今、この間の山頂写真渡してきたとこ。良いの取れたぜー。朝焼けが最高だった」
「あらそう」
庄司くんも行ったヤツかしら。
同行カメラマンは福ちゃんだったのね?
「庄司くんと行ったの? 彼どう? 前は私のとこにいたのよ」
「楽しそうだったぜ? 山好きなんだろうな。ファッション誌より向いてんじゃない?」
「そう」
福ちゃんは職業柄、一瞬を捉えることが上手い。
その福ちゃんがそういうのだから、確かなのだろう。
少し福ちゃんと話して、その後部屋を覗くもまだ庄司くんはいない。
諦めて自分の編集部に向かおうとしたとき、向こうから来る庄司くんと出会った。