ショコラ~愛することが出来ない女~
……気づいてしまったら誤魔化しきれない。
胸が苦しくて、言ったら終わりになると思うのに止められない。
「舞ちゃん、を」
「え?」
いじましい感情。
涙が浮かんでくる。
いっそもう構わないで。
私なんて、人から愛される資格ないじゃないの。
「引き取るのは私には無理だわ」
怖い。
私なんかに、家庭を守るのは無理だ。
だから壊れたんだ。
一番大好きな人が相手だったのに。
二番目だから上手くいくなんて、そんなことあり得ない。
庄司くんは一度目を見張って、それでも笑う。
「分かってるよ。大丈夫」
大丈夫って何?
どうして?
どういう意味?
瞼に溜まった涙が一筋零れ落ちる。